松永氏騒動その3

先日の続きです。

http://d.hatena.ne.jp/lever_building/20060322#p1

以下引用。

しかし、松永さんはそもそも犯罪者じゃないですよ。坂本一家の件・両サリン事件などの教団の犯行を指揮したわけでも実行したわけでもない、少なくともそうした証拠はないのでしょう。氏が教団内の仕事をこなすことで教団の犯罪を「結果的に支援」したことになるのだと言う人がいるかもしれませんが、知らなかったことについて、どんな「責任」を問えるのでしょうか。法的にはむろんのこと、道義的にも他者から追及されるべき「責任」が存在するとは思えない、というのが私の立場です。

犯罪者じゃないから責められるべきではないというのは一つ間違いだと思います。確かに松永氏はそれらのテロルには関与していないかもしれません。が、そのテロルに関わった反社会的組織に在籍していたというのは事実としてあるわけで。
やっぱりオウムが怖いというのは普通の感覚として当たり前ですよ。その感覚が異常だのマスコミに踊らされているだのと言葉で飾り立てても、人として組織暴力が怖いと思うのは当然です。

それと、松永氏に批判が集中しているのはオウムにいたことやそれに関する法的な責任云々ではないんですよ。氏の今までのやり方と今もなお、過去にオウムにいたことを向き合えないでいる姿勢ではないでしょうか。
一番非難されている点は、松永氏がのまねこ騒動の時、avex社長に対する殺人予告で2ちゃんねらーを「犯罪者予備軍」とひとくくりにして罵倒したこともあるでしょう。殺人集団に関わってたお前が言うなと。散々2ちゃんころと一定の集団を罵倒*1しておきながらいざ自分が殺人集団の構成員であったことが発覚した場合、それらの罵倒は慎むべきだというのはいささか都合が良すぎではないかと思われます。
言うなれば、松永氏は今まで散々自分がネット上でしてきたことを今、やり返されているだけでしかないと思います。

また、上記のような松永氏の攻撃的な言動が信用を欠いている部分はあるでしょう。彼に対する批判の中には元オウム信者だったことに後悔し、反省する態度を示すのなら攻撃的言動は控えるべきだと評するブロガーもいますし、僕もその通りだと思います。

これらのことを考えるに、松永氏=元オウム信者という図式が先立っている部分があるものの、実は松永氏自身によるものが多いと感じます。言うなれば氏自身が招いたことではないでしょうか。

ちなみにここ数日、松永氏騒動に触れているブログを見て思ったことですが、松永氏を擁護するブロガーの中には的外れな擁護が非常に目立つのが心配です。結果として松永氏をスポイルして、社会復帰を妨げるだけだと思います。そうした方法ではうちのブログでも取り上げたこともある「特一」や「※」と同じ道を辿るだけです。
もし本当に氏のことを罵倒から守ることを考えるのなら、まずは攻撃的な言動を諌め、かつネットから隔離するといったことを助言するべきでしょう。氏の周辺には一緒になって攻撃的言動を続ける人もいますが、あれは一番良くない。あれは氏をスポイルしてまたオウム残党に逆戻りさせるだけだ。

僕は松永氏の書く文章には魅力は感じないけど、ブロガーとして世間で一定の評価を得て、はてなダイアリーの発展に関わり、政党の懇談会に呼ばれるほどの実力のある人物であればこそ、今は批判に晒されてもそれを奇貨と捉えてオウムにいた過去を見つめ直すべきです。そうすれば自然に批判もおさまるのではないでしょうか。
あえて氏を擁護するのであればそこまで考えてやるべきです。今の擁護の大半は結局、松永氏のためにはならない、かえって状況を悪化させるだけの毒でしかない断言します。松永氏に対する罵倒や批判を見ていて気分が悪いだけの生ぬるい同情や、松永氏批判というネット上の流れにただ反発したいだけの自己満足的反骨精神では、氏を社会的に殺してしまう手助けをしているだけです。

そして今だ、氏がブログで俗に言う厨房的言動を続けていることに、擁護派の人たちはどう思うのか。擁護したいと考えるならまずは諌めるべきだと思うのだがいかがだろうか。
氏を擁護しているブログではそういった動きがほとんど見られないのが、僕から見れば心配な部分もある。所詮他人事だから仕方ないのかも知れませんが。

*1:ただしそれが当の2ちゃんねらーがどう捉えていたかにもよる。相手の聞こえないところで罵倒したところでそれは罵倒となりえないからだ