古鳥羽氏の「紙の爆弾」記事関連のこと云々

的確なツッコミを入れているところがあったので、遅くなりましたがここに紹介をば。

●彼餡政務日誌弐式
http://d.hatena.ne.jp/diktator/20071013/p1

うちの方は長文かつ、あまり文章がまとまっていない故、興味のある方だけ続きをクリックしてくだされ(´・ω・)。

古鳥羽氏の記事が載っているという「紙の爆弾」が近くの書店に全然無いという状況で実物が手に取れずにいるのがアレですが上のブログからの孫引きで気になったところを引用させていただきます。

以下古鳥羽氏の記事より。

[不穏当な出来事だが「テロ」なのか?]

コミケの歴史を見渡すと、トラブルは珍しいことではない。コミケ準備会は、仲が悪い大手サークル同士が隣り合わないようにするなど工夫しているが、それでもトラブルが何件かはあったと言われている。

「こんなのをテロと言われてもねぇ……」

と、ある女性コミケ参加者は言う。

古鳥羽氏の記事で一番、気になったところというか、ツッコミたかったところが実はここにある。しかしある女性コミケ参加者が一体誰なのか? ここら辺にマスコミお得意の「印象操作」っぽいような意図を感じなくはないわけだが。
これは襲撃未遂事件後、id:kanose氏が事件懐疑の根拠とした、コミケスタッフをしていたというnew氏が自身のブログ内で「スタッフやってたけどそんなことなかったよ」と書いていたのを思い出す。多分、その女性参加者(が実在するのであれば)も自身が知る範囲内でしか語れなかったのではないだろうか。

そしてサークル間のトラブルや、あるいは以前言われていたような「合宿所問題」*1との同一視で済ますには臭ちゃんやバルチノフの暴走はその限度をはるかに超えているのだが。

それは一方は個人参加の同人サークル、そしてもう一方は「アキバデモ」を主催した実行委員会そのものである。これをただのサークル間のトラブルで済ますには無理がある。少なくとも個人、あるいは少数の素人集団でカップリング等の諍いで睨み合っていることで時折発生するサークル間のトラブルと同一にすることは僕は出来ない。対立するサークルの搬入された新刊を100部レベルで盗んで販売妨害したり、聞こえよがしに陰口を叩く、あるいはストーカーと化したファンがサークルの女性作家やコスプレ売り子に粘着して迷惑をかけるといった類のものとは異にする類の「トラブル」なのだ。

そして実行委員会やあのmixiの「ひみつ結社」コミュでオッスオッスセイヤセイヤソイヤッサと盛っていた連中はどうしようもない人間ばかりだったが、それでもデモをして相当数の動員を得るほどの組織力と勢いはあった。
「どんなことでも政治運動になりうる」とデモを打った彼らの社会的責任は小規模で活動している趣味の同人サークルとは比較にならない*2

それだけのものを背負っていた、どんなことでも政治運動になると言った連中がそれらの背負っていたものを省みずにコミケ内のルールを破るような行為に走ったのである。政治を語る人間が、法的云々に関わらずルールや規範を逸脱することは致命的だ。まかりなりにも、この運動を評価した人がデモ後に出てきた以上は、自らの行動に今まで以上の責任が生じるのである。
故にサークル間の諍いなんてレベルじゃねーぞ! と言いたい。サークル間のトラブルには、政治もそれに伴う責任は皆無だ。しかし政治運動を掲げデモを打ち、組織力と実行力を持つ連中はそうではない。批判する個人と批判される組織側の言論の自由は対等であり、政治を前面に押し出した連中が、リアルでの威力行為でもって反対意見を封じてはならない、と思う。
デモ批判している相手を打ち負かしたいのなら、サークルスペースを盗撮するのではなく、批判の中でやれば良かった。もっとも臭ちゃんや八木あつしのような人間的に幼稚な人らにそうしたことが出来るかについては、甚だ疑問なのだが……。

僕自身、拙いもののサークル活動経験もあり、また長年コミケに参加してきてトラブルは見てきたし大小に関わらず経験もしているが、ある程度の組織力を持って個人サークルへの示威行為を行ったという例は聞いたことがないし、コミケ同人誌即売会でのサークル間とのトラブルや諍いを知っている身としては、今回のことについては同一には見れないのである。
それでも古鳥羽氏はサークル間のトラブルとみなし、コミケではよくあることとしたいのだろうか。盗撮行為が「よくあること」*3などと済ませたくはないものだ。ダメなもんはダメなのである。そしてデモを打って社会へ訴えたことで社会的責任が生じた人たちがやるべき行動ではないのは明白である。

ちなみに古鳥羽氏の記事から外れるが、僕が知る限り、コミケ準備会側が何からの処置に動いたトラブルは

「トゥルージャーナル事件」
「dexiosuの盗撮容認発言による、牛島えっさい氏への中傷事件」

である。前者は特撮系ジャンルで起こった事件で、キ印のサークル参加者が隣のサークルに一方的に怒鳴りつけて、相手を萎縮させたというものである。特にサークル間で交流があって、その後人間関係が拗れたとか、所謂「カップリング違い」による抗争ですらなく、まさに一方的な被害妄想的な言いがかりである。したがって「サークル間のトラブル」と位置づけることすら憚れる事件、ではある。
この騒動で加害サークル側のトゥルージャーナルはBL入りしたのだが、去年夏、手違いによるサークル当選が発覚したのは記憶に新しい。

後者については特に説明はいらないだろう。知らない人は名前でググるなりして欲しい。この騒動でこの名前を出すことは、加害者当人の介入を呼び起こすことから今までは控えてはいたが。
それでも簡単に経緯を説明すれば「コミケでは無礼講だから盗撮してもオッケー」と発言した人が、コスプレ担当者にコスプレ広場などの管轄区域への「出禁」処置を下されたことである。
当然、コミケでは盗撮行為は認められていない。事件後、撮影行為には違法性は無い、と強弁するブクマカーの人たちや魔王討伐隊の元隊員の人がいらっしゃいましたら、是非共この件について調べて欲しい。いかに自分らがこの該当人物と言動を同じくしていたかを恥じて欲しいものである。

一個人がコミケ内での盗撮行為を「容認発言」をするだけで、場合によってはコミケから出禁を言い渡される程、実は滅茶苦茶厳しい。それはトラブルの度合いによってはコミケの開催そのものが危ぶまれるからだ。連中の短慮さのおかげで何の関係もない参加者や準備会を巻き込み、ひいては表現の場が失われるのは、古鳥羽氏が度々唱える「表現規制が強化される」以上の損失であると考えるし、身勝手な理由でトラブルを起こしたアキバデモ主催者は行為は今後のコミケ開催を考えると「テロ」に等しい狼藉だったと思う。

故に、トラブルには敏感であり、またそういった連中の短慮さに批難が集中している。オタクの弾圧や表現規制をどうにかしたい、だから政治にも関わっていこうというのであれば、自身の行動がどう影響するのかを深く考えるべきである。政治家が汚職で逮捕されたり議員を辞職するといった社会的制裁が課せられるのは、そういうことなのだ。

古鳥羽氏はコミケではトラブルが日常茶飯事なのだから、襲撃事件が「不穏当な出来事だがテロではない」で済ましてしまうのはどうなのか。
その「不穏当な出来事」のせいで次の開催が危ぶまれるぐらい、コミケを取り巻く状況というのは厳しく、そして敏感だ。氏はそれを果たして認識しているのだろうか。
漫画やアニメの表現規制反対を唱えて活動しているのだから当然、コミックマーケットが常に次回開催の中止という危機感に立たされながら毎回開催されていることは知っておられるはずだ。

記事の事実誤認の多さについても、誤報を撒き散らす古鳥羽氏の記事は悪質だと僕は考える。オタク全体のことを考えるのなら、それはアキバデモを擁護することではないと思うのだが。

*1:どうでもいいが件の魔王討伐隊のブクマのコメントで「かざきり羽問題」まで持ち出すブクマカーがいたのには唖然としたものであるw

*2:かといって同人サークルが社会的責任を負っていない、あるいは負わないということではないので念のため。問題は実行委員会の臭ちゃんやバルチノフといったデモを主催した人物らがその社会的責任を失念して暴走し、また周辺がそれを止めなかったことだ

*3:それがコスプレ広場等で本当によくあることだとしても